渡良瀬遊水池を守る利根川流域住民協議会
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利根川水系河川整備計画の原案について

(原案がいつ出るかはいまだに不透明)

 国土交通省関東地方整備局による利根川水系河川整備計画の策定作業が2006年11月から始まっています。これは、今後30年間に実施する予定の河川事業を位置づけるもので、関東地方整備局はその事業の中に渡良瀬遊水池の大規模掘削事業を入れることを予定しています。
 2007年2月下旬〜3月上旬に利根川水系河川整備計画に関する公聴会が開かれ、住民協議会のメンバーがそれぞれの視点でこの大規模掘削事業は必要性がなく、遊水池の自然に多大な影響を与えることを力説しました。
 この公聴会の意見等を受けて、早ければ2007年4月には整備計画の原案が関東地方整備局から提示されるという話であったのですが、未だに出ていません。担当者に聞いたところ、原案については局内でも議論があって、その説明資料を何度も書き直していて、原案をいつ出せるのか、まだ分からないということでした。
 局内でどのようなことについて議論がされているのかはまったく分かりませんが、住民協議会は、遊水地の大規模掘削事業に対して反対の意思を表明し続けていきます。

(2008年2月2日記)

利根川流域市民委員会では大規模事業に代わる対案を準備

 本住民協議会も参加している利根川流域市民委員会では河川整備計画の市民案を作成する作業を進めています。
 利根川の本川および支川は河川改修がずいぶんと遅れた状態になっているところが少なくありません。堤防の高さや幅が足りないところ、堤防が水漏れを起こしたり、崩れたりする危険性のあるところ、河床が土砂の堆積で上昇したままになっているところが沢山あります。現在の利根川とその支川の治水安全度が5〜20年に1回の洪水に対応できるだけとされているのは、この河川改修の遅れを意味しています。
 ところが、国土交通省はダム建設などの大規模河川事業に河川予算の多くを投入するため、真っ先にとりくまなければならないはずの河川改修が後回しにされ、氾濫の危険性のあるところが放置されています。
利根川流域市民委員会では国土交通省関東地方整備局への情報公開請求で利根川本川と支川の直轄区間(国が管理する区間)について各地点の洪水流下能力を検討した結果や堤防の安全性を点検した結果の資料を入手しました。膨大な資料です。
 市民委員会ではこの資料に基づいて、利根川本川と支川で河川改修(堤防嵩上げ・補強や河床掘削)をすみやかに進めるべきところをピックアップして、大規模事業ではなく、真に必要で有効な河川整備の内容を示した河川整備計画の市民案をつくろうと考えています。
 利根川流域市民委員会の活動については同委員会のブログをご覧ください。

(2008年2月2日記)

渡良瀬遊水池の湿地再生実験

 第二調節池で渡良瀬遊水池湿地再生実験が、2007年3月末から行われています。
 住民協議会が実験開始前に、国土交通省利根川上流河川事務所の地域連携課から受けた説明は次のとおりでした。

利根川上流河川事務所の説明「渡良瀬遊水地植生再生実験計画概要」

実験の目的
渡良瀬遊水池において、水辺の多様な植生を再生する手法を検討するためのデータを得る。

実験池の造り方
1) 「横78m×縦32m×深さ2.7m」の小規模な実験池を、第二調節池の与良川沿いに設けた。
2) 与良川からの河川水の流入で自然攪乱が起きることを期待して与良川とつながるようにした。
3) 実験池の場所は重要種が確認されず、外来種が比較的多い場所などの条件に基づいて選定した。
4) この池の植生を2年以上観察して、「明るい湿地」が再生できるか否かの資料を得る。
5) さらに、別のタイプの実験池をつくり、うまくいったタイプを拡大していくことを考えている。

 国土交通省は現在策定中の「利根川水系河川整備計画」に渡良瀬遊水池の大規模掘削事業を盛り込むことを考えています。今回の湿地再生実験は、この治水容量増強のための大規模掘削事業につながるものではないかという警戒心を私たちは解くことができませんが、当面は今回のような実験で湿地再生が本当にどこまでできるのか、観察を続けていきたいと思います。さらに、この湿地再生実験を大きな面積に拡大した場合はどのような結果が引き起こされるのかについても検討していきたいと考えています。

(2008年2月2日記)

「日本NGO湿地フォーラム(仮称)」への参加呼びかけ

 2008年10月28日から11月4日まで、韓国の昌原(チャンウォン)市で、第10回ラムサール条約締約国会議(COP10)が開催されます。また、直前の10月26日、27日には、韓国の湿地NGO主催による世界のNGO会議が予定されています。
 2005年のCOP9以降、日本と韓国のいくつかの湿地NGOは、COP10における民間の活動を成功させ、ラムサール条約の履行と湿地保全に貢献することを目的に会合を重ねてきました。「第1回日韓NGO湿地フォーラム」(東京 2007.10)や「ラムサール会議を成功させるための韓日NGOワークショップ(チャンウォン 2007.12)」では、湿地政策の検証、賢明な利用、水田決議、CEPA(普及教育)などのテーマとともに、直前のNGO会議のあり方についても話し合ってきました。
これらの交流をもとに、韓国の湿地NGOは、2008年2月1日に「ラムサール会議のための韓国NGOネットワーク」を結成しました。今後、このネットワークが、COP10に向けて世界のNGOの窓口になり、主体的な活動を担うものと期待されます。
 一方、日本でも、韓国の湿地NGOと協力して世界のNGO会議を開催し、COP10を有効に活用するための組織づくりが必要との声が上がり、上記の日韓会合の参加者の中から呼びかけ人を募り「日本NGO湿地フォーラム(仮称)」を結成するための呼びかけを行うことにしました。
 この「日本NGO湿地フォーラム(仮称)」の目的、活動、組織、費用など具体的な内容は、参加者による準備会議、設立総会などで議論し、作り上げていくことになります。また、このフォーラムは、ラムサールCOP10以降も継続し、韓国の湿地NGOと協力して、東アジアにおける湿地の生物多様性保全を目指し、2010年に名古屋市で開催される可能性の高い生物多様性条約締約国会議(生物多様性COP10)に向けても活動する組織としたいと考えています。
 日本の湿地保護、賢明な利用、普及教育などに係わる皆さまには、COP10に関する情報を交換し、連携して活動できるように「日本NGO湿地フォーラム(仮称)」に参加されるように呼びかけます。

呼びかけ人
  浅野正富(ラムサール条約湿地を増やす市民の会)
  飯島 博(アサザ基金)     
  柏木 実(日本湿地ネットワーク)
  呉地正行(日本雁を保護する会) 
  菅波 完(有明海漁民・市民ネットワーク)
  辻 淳夫(日本湿地ネットワーク)
  花輪伸一(WWFジャパン)
  堀 良一(日本湿地ネットワーク)

「日本NGO湿地フォーラム(仮称)」に関する問い合わせ・参加申込先
  花輪伸一 hanawa@wwf.or.jp
  浅野正富 m-asano@msd.biglobe.ne.jp

(2008年2月2日記)
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