渡良瀬遊水池を守る利根川流域住民協議会
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ラムサール条約登録地へ
 
ラムサール条約登録地へ

次の締約国会議 2008年 韓国 慶尚南道・昌原市

ラムサール条約で町おこしを!

 渡良瀬遊水池は本州最大のヨシ原が広がる大湿地で、たくさんの希少な動植物が生きている自然の宝庫です。 「ラムサール条約」(湿地と湿地の生物を守るための国際条約)の登録湿地に指定されれば、渡良瀬遊水池の素晴らしさを世界に発信して、その自然を保全しつつ、新たな町おこしを進めることができます。
 自然と人間との共存を図ることが「ラムサール条約」の精神なのです。
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渡良瀬遊水池は湿地の生物たちの宝庫

 渡良瀬遊水池は本州以南最大の面積を有するヨシ原を主体とした環境が成立し、湿地の生物たちの宝庫になっています。
現在ここでは、カイツブリ類・サギ類・ガンカモ類・シギチドリ類・クイナ類・ワシタ力類をはじめとして230種以上(絶滅危惧種25種)の鳥類が記録され、水辺やヨシ原に生息する多数の鳥の繁殖・越冬・中継地として利用されている、特にチュウヒ、八イイロチュウヒ、ノスリ、ミサゴ等を主とする越冬ワシタ力類の豊富さは国内屈指のものと思われ、それを支える膨大な湿地の生物群の存在が推測されます。
 また、700種以上が記録されている植物では、パタケテンツキ・トネ八ナヤスリ・タチスミレその他、絶滅危惧種がこれまでに59種も発見されていて、全国的にも貴重です。
 渡良瀬遊水池の昆虫の種類の多さは有名で、1,600種以上が記録されている。この地の名が冠されたワタラセ八ンミョウモドキをはじめ、オオモノサシトンボ・ベッコウトンボ・シルビアシジミほか、湿地性の絶滅危惧種(23種)・準危惧種等が数多く発見されています。

ラムサール条約とは

  1. 目的:湿地(湿地、湿原、河川、湖沼、干潟、藻場、サンゴ礁、浅海域など)は、人間にとってさまざまな価値を持つ有用な資源(環境、経済、文化、科学、観光など)であることから、国際協力によって、湿地の資源を将来にわたり、持続的に、賢明に利用していくことを目的としています。当初は、水鳥の生息する湿地の保全という面が大きかったのですが、次第に、湿地の生物多様性の保全と持続的利用、保全計画への住民参加という面が重要視されるようになりました。そして1971年にイランのラムサールでこの条約が採択されたのです。
    湿地の役割
    生物多様性の保全、野生生物の生息地、渡り鳥の渡来地、漁業・狩猟、水生植物の利用、水資源の確保、水質浄化、地下水の洒養、浸食の防止(アシ、アサザ)、洪水の防止(遊水池)、温暖化の防止、環境教育・社会教育、観光・レクリエーション、水上交通その他
  2. 締約国154か国が加盟。登録地は、1,641か所。
  3. 日本の登録地
    環境省・『ラムサール条約と条約湿地』パンフより
  4. ラムサール条約登録地の基準(国際的に重要な湿地の基準)
    基準1:生物地理区内の自然度の高い代表的な湿地
    基準2:絶滅のおそれのある種、群集を支える湿地
    基準3:生物多様性維持に重要な種を支える湿地
    基準4:ライフサイクル上重要な、または、悪条件の際の避難場所になる湿地
    基準5:定期的に20,000羽以上の水鳥が生息する湿地
    基準6:水鳥の種または亜種の個体群の1%以上が生息する湿地
    基準7:固有な魚類の種、亜種、科、生活史の一段階、湿地からの利益、生物多様性に貢献する湿地
    基準8:魚類の採食場、産卵場、稚魚の成育場、漁業資源の回遊経路となる湿地
    基準9:鳥類以外の湿地に依存する動物の種または亜種の個体群で個体群の1%以上を定期的に支える湿地

登録地の基準と日本での登録条件

  1. ラムサール条約の登録の国際基準は9つありますが、そのうち渡良瀬遊水池では次の3つの基準を満しています。
    基準1: 生物地理区内の自然度の高い代表的な湿地――
    渡良瀬遊水池は、関東地方で代表的な低層湿原といえます。
    基準2: 絶滅のおそれのある種、群落を支える湿地――
    良瀬遊水池の絶滅危惧種は、植物59種、昆虫23種、野鳥25種、魚類6種の記録があります。
    基準4: ライフサイクルの重要な、または悪条件の際の避難場所となる湿地――
    ツバメ類の一大集結地であり、ヨシ原や水辺の鳥の渡りの拠点として重要です。
  2. 次に、国内法によって保護区にしなければなりません。「国指定鳥獣保護区の特別保護地区」などに設定されることが求められます。渡良瀬遊水池は現在のところ保護区になっていませんが、栃木等の4県では遊水池を鳥獣保護区に指定する準備が進められています。
  3. さらに、地域での合意形成が重要です。地元自治体及び県の合意、渡良瀬遊水池の場合は国土交通省の合意も必要です。

ラムサール条約登録のメリット

  1. 国際的に重要な湿地と認知され、世界に知られます。―地域から自然と文化を世界に発信でき、郷土の誇りになります。
  2. 環境保全と賢明な利用をはかるため、国際基準の保護管理計画が立てられ、将来にわたっての保全が可能になります。
  3. ビジターセンターをはじめ施設整備により、野外博物館として活用できます。
  4. 総合学習や、生涯教育の場として環境教育で活用されます。
  5. 海外登録湿地と姉妹提携交流ができます。
  6. 自然に負荷をかけず、過剰利用にならない範囲でバードウォッチング、釣り、カヌーなど観光に役立てられます。
  7. 水系全体を視点として、新たな産業が組み立てられます。
  8. かつての谷中村の遺産を生かし、地域の自然と文化の発信地とすることにより、郷土の誇り、地域おこしとなります。

渡良瀬遊水池をラムサール登録地にする運動

 私たちは2006年に、渡良瀬遊水池周辺の6団体と共に「渡良瀬遊水池をラムサール登録地にする会」を立ち上げ、登録を目指して署名を中心に運動を進めてきました。同会の浅野事務局長は運動の経過と今後の方向を次のように述べています。
 
2007年12月25日
渡良瀬遊水池のラムサール条約登録促進のために
渡良瀬遊水池をラムサール条約登録地にする会
事務局長   浅 野 正 富

 私たち渡良瀬遊水池をラムサール条約登録地にする会は、小山市はじめ2市4町にまたがる渡良瀬遊水池が2008年10月〜11月に韓国慶尚南道昌原市で開催されるラムサール条約第10回締約国会議(COP10)においてラムサール条約湿地に登録されることをめざして署名活動を行い、全国から15,476名の署名を集めて本年7月25日に藤岡町長に提出致しました。
COP10までは後10か月となり、COP10での登録は時間的にほぼ不可能な状況となりましたが、この11月下旬に閣議決定された第三次生物多様性国家戦略には、数値目標として2011年のラムサール条約COP11までに国内のラムサール条約湿地を新たに10か所増やすことをめざすことが盛り込まれ、COP11での渡良瀬遊水池の条約登録という大きな夢が生まれました。しかし、現在日本にはラムサール条約湿地登録の長期的な目標が存在しないため、COP11での登録を逃してしまうと、その後は日本全体で条約湿地の追加登録が停滞してしまう虞もあり、COP11で登録できなかった湿地の登録はその後難しくなりかねません。したがって、2011年までのこれから4年間弱が渡良瀬遊水池を条約湿地に登録するための運動の正念場となります。

(以下略)
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